小田急小田原線 水害
小田急小田原線で大雨に弱い駅ワースト10【2026年版】
小田急小田原線の47駅のうち、徒歩圏で浸水が想定される範囲が最も広いのは本厚木で、値は90.8%でした。
2026-09-13 公開 ・ 出典は使用データ

小田急小田原線の47駅のうち、徒歩圏で浸水が想定される範囲が最も広いのは本厚木で、値は90.8%でした。富水と栢山も近い水準で続き、大きな川沿いの平野にある駅が上位に集まっています。
記事の先頭の地図では、青く塗られた範囲が洪水の浸水想定区域です。駅の色分けと重ねると、どの駅の周りに想定区域が広がるかが見て取れます。指標は洪水浸水想定率(0.5m以上)で、値は徒歩圏の面積に占める割合です。駅から半径800mの円のうち、想定しうる最大規模の大雨で浸水深0.5m以上になると見込まれる範囲がどれだけあるかを表しています。対象は徒歩圏人口が一定以上の駅に絞っています。
この一覧は、避けるべき駅を決めるためのものではありません。水への備えを先に考えておきたい駅を知り、物件を探す段階で何を確かめればよいかをつかむために使ってください。
小田急小田原線で大雨に弱い駅 ワースト10
| 順位 | 駅 | 所在地 | 洪水浸水想定率(0.5m以上) | 首都圏での順位 | 徒歩圏人口(2020) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 本厚木 | 厚木市 | 90.8% | 下位 10% | 21,654人 |
| 2 | 富水 | 小田原市 | 90.1% | 下位 11% | 10,023人 |
| 3 | 栢山 | 小田原市 | 85.4% | 下位 12% | 8,497人 |
| 4 | 狛江 | 狛江市 | 82.9% | 下位 13% | 29,523人 |
| 5 | 螢田 | 小田原市 | 81.1% | 下位 13% | 10,646人 |
| 6 | 海老名 | 海老名市 | 76.7% | 下位 15% | 14,800人 |
| 7 | 向ヶ丘遊園 | 川崎市多摩区 | 76.6% | 下位 15% | 30,395人 |
| 8 | 登戸 | 川崎市多摩区 | 74.7% | 下位 15% | 26,886人 |
| 9 | 厚木 | 海老名市 | 69.8% | 下位 17% | 13,605人 |
| 10 | 和泉多摩川 | 狛江市 | 67.3% | 下位 18% | 18,820人 |
小田急小田原線で大雨に強い駅は5駅、差が出るのはここから【2026年版】
各駅の短評
1位 本厚木(厚木市)
路線順では小田原から数えて14番目で、沿線の中ほどにあります。徒歩圏の広い範囲が浸水想定区域と重なり、首都圏全駅の中での位置は下位 10%です。徒歩圏人口は21,654人と多いため、駅の近くで住まいを探す人ほど、候補の建物が想定区域のどこにあるかを見ておく意味があります。
2位 富水(小田原市)
小田原寄りの平野にあり、4番目の駅です。値は90.1%で、本厚木に迫る水準にあります。周囲が平らで高い場所が近くに少ない地形なので、避難先までの道のりを地図で前もってたどっておくと安心です。
3位 栢山(小田原市)
隣の富水と同じく、平らな低地の中を線路が通る区間にあります。徒歩圏人口は8,497人で、この一覧の中では小さめの住宅地です。同じ円の中でも浸水深の想定は場所によって違うため、住所の単位で見直す価値があります。
4位 狛江(狛江市)
東京都の駅で最初に名前が挙がるのがこの駅です。新宿寄りの32番目にあり、川に近い平坦な市街地が徒歩圏に広がっています。徒歩圏人口は29,523人で、暮らす人の多さを考えると、建物の高さや避難の経路まで含めた備えが大切になります。
5位 螢田(小田原市)
81.1%という値は、徒歩圏の円の中で想定区域が広い面積を占めていることを示します。3番目にあたり、この一覧の中では最も小田原寄りの駅です。富水・栢山と続く区間にあり、同じ平野の地形の中にあります。
6位 海老名(海老名市)
乗り入れるのはJR相模線・小田急小田原線・相鉄本線で、乗り換えの拠点になっている駅です。路線順では厚木の隣にあたり、川沿いの低地が徒歩圏の多くを占めています。通勤の便で住む場所を選ぶ場合も、水への備えは別の項目として確かめておきたいところです。
7位 向ヶ丘遊園(川崎市多摩区)
人口の規模ではこの一覧で最も大きく、徒歩圏人口は30,395人です。新宿寄りの29番目にあり、背後には丘陵が迫る一方、徒歩圏には川沿いの平地も含まれます。坂の上か平地かで想定が分かれやすい駅といえます。
8位 登戸(川崎市多摩区)
JR南武線・小田急小田原線が交わる駅で、向ヶ丘遊園とは路線順で隣り合っています。川に近い側の平地が徒歩圏に入るため、値は74.7%となりました。駅からどちらの方向に住むかで浸水想定が変わる点を、押さえておきたい駅です。
9位 厚木(海老名市)
駅名に使われている地名とは違う市にあり、所在地は海老名市です。本厚木と海老名にはさまれた15番目の駅で、同じ低地の広がりの中にあります。首都圏全駅での位置は下位 17%です。
10位 和泉多摩川(狛江市)
新宿の方向へひと駅進むと狛江で、31番目にあたります。値は67.3%で、この一覧の中では最も小さい値です。それでも首都圏全駅で見ると下位 18%に入り、備えを考えておきたい水準にあることは変わりません。
沿線での位置
全駅を路線順に並べると、値の高い駅がどの区間に集まっているかが分かります。
濃い色の棒は、小田原寄り、沿線の中ほど、新宿寄りの区間にそれぞれまとまっています。小田原寄りでは3番目から続く区間、中ほどでは本厚木から海老名にかけて、新宿寄りでは向ヶ丘遊園から32番目の狛江にかけてです。
こうしたまとまりのあいだには棒の低い駅が長く続きます。浸水想定は路線全体に均等に広がっているのではなく、大きな川を渡る前後の区間に集まっていると読み取れます。
地形と背景の解説
小田急小田原線は、いくつもの大きな川を横切りながら、平野と台地・丘陵地を交互に通る路線です。川がつくった平野は土地が低くて平らなため、大雨で水があふれると広い範囲に水がたまりやすくなります。反対に、台地や丘陵地は周囲より一段高く、浸水想定区域がほとんど入りません。
小田原寄りの螢田・富水・栢山は、川が運んだ土砂でできた平野の中に並んでいます。沿線の中ほどでは、厚木と海老名、そして本厚木が川をはさむ低地に集まり、15番目の前後に値の高い駅が固まっています。新宿寄りでは、向ヶ丘遊園から狛江までが川沿いの低地に続きます。対象駅全体の中央値は12.1%で、ワースト10の駅はどれもこれを大きく上回っています。
低地と低地のあいだでは、線路は台地や丘陵地の上を抜けていきます。台地と低地の境目には崖線と呼ばれる斜面があり、同じ駅の徒歩圏でも斜面の上と下で浸水の想定が大きく変わります。平地の中でも、昔の川の流れの跡である旧河道は周りより低く、水が集まりやすい場所です。駅ごとの値は円全体をひとまとめにした割合にすぎず、候補の住所が円の中のどこにあるかで実際の状況は変わります。
まとめ
候補の駅がこの一覧に入っていても、それだけで暮らしに向かない場所だということにはなりません。大切なのは、何に備えるかを先に決めておくことです。
- 自治体のハザードマップを開き、候補の住所で想定されている浸水深を見る
- 現地で駅から住まいまで歩き、坂道の有無や周りとの高低差を体で確かめる
- 住む階や建物の電気設備の位置、避難場所までの道を、物件選びの確認項目に加える
よくある質問
Q1. ワーストに入った駅は、大雨のたびに浸水するのですか。
そうではありません。浸水想定区域は、想定しうる最大規模の大雨で川があふれた場合を計算して示した範囲で、実際に浸水した記録ではありません。まれに起こる最悪の事態に備えるための目安として読むのが適切です。
Q2. 同じ駅の周りでも、場所によって浸水しやすさは違いますか。
違います。値は駅から半径800mの円をひとまとめにした割合なので、円の中の高台にある住宅と川沿いの住宅では想定が大きく異なります。住所が決まったら、ハザードマップで地点ごとの浸水深を見るのが確実です。
Q3. ワーストの駅と値が小さい駅では、何が違うのですか。
主な違いは、駅がある場所の地形です。ワーストの駅は川沿いの平野や低地にあり、値が小さい駅は台地や丘陵地の上にあることが多くなります。値の小さい駅の顔ぶれは、対になる記事で紹介しています。
出典・算出方法
- 指標: 洪水浸水想定率(0.5m以上) — 駅中心半径800m円のうち、洪水浸水想定区域(想定最大規模)で浸水深0.5m以上の面積の割合。A31b 浸水深ランク2以上
- 対象: 小田急小田原線の駅のうち、駅条件「pop_2020>=5000」を満たす47駅
- 順位%は首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)全駅の中での位置(100に近いほど良い)。算出式の版: 6a.1
- 使用データ:
- 国土数値情報 洪水浸水想定区域(1次メッシュ単位)(A31b)2025年度版(2025、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A31b-2025.html
- 国土数値情報 500mメッシュ別将来推計人口(R6国政局推計)2024年度版(2024、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-mesh500r6.html
- 集計日: 2026-09-14
免責
本記事は公開データを機械的に集計したもので、個々の物件・建物の安全性や資産価値を保証するものではありません。指標は駅中心から半径800mの円で集計しており、同じ駅でも場所によって状況は異なります。ハザードマップ・統計の原典は各公的機関の最新版を必ずご確認ください。