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京急本線 水害

京急本線で大雨に弱い駅ワースト10【2026年版】

京急本線で洪水浸水想定率(0.5m以上)が大きい駅、つまり徒歩圏の広い範囲に浸水の想定が置かれている駅を、値の大きい順に10駅並べました。

2026-09-13 公開 ・ 出典は使用データ

京急本線の青=浸水0.5m以上、濃い青=3m以上の想定区域と駅を重ねた地図

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京急本線で洪水浸水想定率(0.5m以上)が大きい駅、つまり徒歩圏の広い範囲に浸水の想定が置かれている駅を、値の大きい順に10駅並べました。数字が大きい駅は住めない駅ではありません。備え方を先に知っておくべき駅、という意味で読んでいただくための記事です。

上の地図は、国が公表している洪水の浸水想定区域をそのまま重ねたものです。青く塗られた範囲が想定区域で、色の濃いところほど深く浸かると見込まれています。駅名が入っている点が、これから挙げる駅です。

値は徒歩圏の面積に占める割合です。駅を中心とした半径800mの円のうち、想定最大規模の洪水で浸水深0.5m以上になる区域が占める割合を表します。対象は徒歩圏人口が一定以上の50駅で、人口の少ない駅は数値が振れやすいため外しました。

路線全体で見ると、最小が0.0%、最大が99.9%、中央値は7.3%、平均は23.4%です。中央値が平均を大きく下回るのは、想定の小さい駅が数のうえで多数を占めるなかで、一部の駅だけが極端に大きい値を取っているためです。以下に挙げるのは、その「一部の駅」にあたります。

京急本線で大雨に弱い駅 ワースト10

順位 所在地 洪水浸水想定率(0.5m以上) 首都圏での順位 徒歩圏人口(2020)
1 雑色 大田区 99.9% 下位 2% 47,689人
2 八丁畷 川崎市川崎区 99.1% 下位 4% 46,798人
3 京急蒲田 大田区 95.5% 下位 8% 46,928人
4 梅屋敷 大田区 93.6% 下位 9% 48,681人
5 大森町 大田区 88.1% 下位 11% 48,340人
6 鶴見市場 横浜市鶴見区 86.2% 下位 12% 41,297人
7 京急川崎 川崎市川崎区 81.2% 下位 13% 33,124人
8 平和島 大田区 66.3% 下位 18% 44,173人
9 六郷土手 大田区 51.4% 下位 23% 26,679人
10 京急鶴見 横浜市鶴見区 44.2% 下位 26% 35,846人

反対に、徒歩圏に浸水の想定が入らない駅を知りたい方はこちらです。→ 京急本線で大雨に強い駅は16駅、差が出るのはここから【2026年版】

各駅の短評

ワースト1位 雑色(大田区)

徒歩圏のほぼ全域が浸水想定区域に入り、値は99.9%です。首都圏全駅のなかでの位置は下位 2%にあたります。多摩川が形づくった低地のただ中にあり、徒歩圏人口は47,689人と、住宅地としては密度の高い場所です。

ワースト2位 八丁畷(川崎市川崎区)

川崎側で最も値が大きいのがこの駅で、99.1%です。JR南武線・京急本線が乗り入れ、乗り換えの利便は高い一方、徒歩圏は鶴見川と多摩川に挟まれた低平な土地が続きます。

ワースト3位 京急蒲田(大田区)

空港への分岐がある駅で、京急本線・京急空港線が使えます。値は95.5%、徒歩圏人口は46,928人です。商業施設と住宅が密に並ぶ市街地で、地面の高さは周囲とほとんど変わりません。

ワースト4位 梅屋敷(大田区)

路線順では浦賀から数えて40番目にあたり、前後の駅とひと続きの低地を共有しています。値は93.6%で、徒歩圏の大部分に想定がかかります。商店街を中心とした暮らしやすい街ですが、水の出方については前もって確かめておきたい場所です。

ワースト5位 大森町(大田区)

この駅の値は88.1%で、首都圏全駅では下位 11%という位置です。海側と川側の双方から想定が寄せてくる地形で、徒歩圏に高台と呼べる場所がほとんどありません。

ワースト6位 鶴見市場(横浜市鶴見区)

横浜市側で最も値が大きく、86.2%です。鶴見川の流域にあたり、河口に近い平地が徒歩圏の大半を占めます。徒歩圏人口は41,297人です。

ワースト7位 京急川崎(川崎市川崎区)

ターミナルとして知られる駅で、京急大師線・京急本線が乗り入れます。値は81.2%。駅前は商業の集積が厚く、勤め先や買い物には便利ですが、土地そのものは多摩川の低地です。

ワースト8位 平和島(大田区)

海沿いの埋め立て地と住宅地の境目にある駅で、値は66.3%です。ここから先、値は段階的に小さくなります。徒歩圏人口は44,173人で、周辺には物流や工業の用地も広がります。

ワースト9位 六郷土手(大田区)

川のすぐそばに位置し、堤防の内側と外側で徒歩圏が二分される駅です。値は51.4%で、想定区域に入る部分と入らない部分が混在します。徒歩圏人口は26,679人と、ここまでの駅のなかでは小さめです。

ワースト10位 京急鶴見(横浜市鶴見区)

値は44.2%、首都圏全駅では下位 26%です。丘陵の縁に近づくため徒歩圏の一部は高台にかかり、ここから浦賀側では想定の面積が急に小さくなります。

沿線での位置

上の10駅が路線のどこに集まっているかを、補助の図で確かめておきます。対象駅を路線順に並べ、棒の高さで洪水浸水想定率(0.5m以上)を表したもので、濃い色がこの記事で取り上げた駅です。

京急本線の50駅を洪水浸水想定率(0.5m以上)の高さで並べた図(路線順。濃い色は大雨に弱い駅)浦賀京急鶴見八丁畷六郷土手雑色梅屋敷平和島泉岳寺99.9%0.0%濃い色=大雨に弱い駅

濃い色の棒は右側、つまり泉岳寺寄りの一角に固まっています。しかも高い棒は隣り合って並び、その並びが切れると急に低くなります。水害の想定が駅ごとにばらばらに決まるのではなく、川がつくった低地をどこで横切るかという区間の問題であることが、この形から読み取れます。

地形と背景の解説

泉岳寺寄りの区間で値が大きくなるのは、鶴見川と多摩川という二つの河川が海に注ぐ低地を、線路がまとめて横切るためです。この一帯は近代以降に市街化が進んだ平地で、駅前に商業と住宅が密に集まっています。便利さと浸水の想定が同じ場所に重なっているのは、平らで水を得やすい土地が早くから使われてきた結果でもあります。

一方、浦賀側は三浦半島の丘陵地を縫って進むため、谷あいに市街地があっても大きな川の氾濫原には当たりません。同じ路線のなかで条件がこれだけ違うのは、路線の性格ではなく、駅ごとの地形の差によるものです。

数字が大きい駅を避けるという読み方だけが正解ではありません。想定される浸水の深さに対して建物の階数と構造が見合っているか、電気設備が地上階に置かれていないか、上の階へ移れる建物かどうか。この三つは内見の場で確かめられます。自治体のハザードマップで避難所と経路を先に把握しておけば、いざというときの判断も早くなります。

まとめ

京急本線で値が大きい駅は、泉岳寺寄りの低地を横切る区間に集中していました。いずれも生活の利便が高い市街地で、住むこと自体が難しい場所ではありません。必要なのは、備えを前提にした物件選びです。

気になる駅が決まったら、その住所でハザードマップを開き、建物の階数と避難経路をあわせて確認してください。徒歩圏のなかでも高さは一様ではないため、現地で坂の向きを見ておくと判断の助けになります。

よくある質問

Q1. 値が大きい駅は住まないほうがいいのですか

そうは考えていません。この数字は想定される浸水区域が徒歩圏にどれだけ広がっているかを表すもので、被害の発生を予告するものではありません。建物の階数や構造、避難経路の把握によって、備えの度合いは大きく変わります。

Q2. 同じ駅でも場所によって違いますか

違います。集計は駅を中心とした半径800mの円で行っており、円の内側でも土地の高さや河川からの距離は一様ではありません。住所が決まっているなら、その地点でハザードマップを確認してください。

Q3. この数字には洪水以外の水害も入っていますか

入っているのは洪水の浸水想定区域のうち、浸水深0.5m以上にあたる部分だけです。高潮、内水氾濫、津波はそれぞれ別の想定として公表されています。海や川に近い駅では、それらの想定区域も併せてご覧ください。

出典・算出方法

  • 指標: 洪水浸水想定率(0.5m以上) — 駅中心半径800m円のうち、洪水浸水想定区域(想定最大規模)で浸水深0.5m以上の面積の割合。A31b 浸水深ランク2以上
  • 対象: 京急本線の駅のうち、駅条件「pop_2020>=5000」を満たす50駅
  • 順位%は首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)全駅の中での位置(100に近いほど良い)。算出式の版: 6a.1
  • 使用データ:
  • 国土数値情報 洪水浸水想定区域(1次メッシュ単位)(A31b)2025年度版(2025、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A31b-2025.html
  • 国土数値情報 500mメッシュ別将来推計人口(R6国政局推計)2024年度版(2024、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-mesh500r6.html
  • 集計日: 2026-09-13

免責

本記事は公開データを機械的に集計したもので、個々の物件・建物の安全性や資産価値を保証するものではありません。指標は駅中心から半径800mの円で集計しており、同じ駅でも場所によって状況は異なります。ハザードマップ・統計の原典は各公的機関の最新版を必ずご確認ください。