東北線 浸水
JR東北線で大規模な浸水に弱い駅ワースト10【2026年版】
JR東北線で徒歩圏に大規模な浸水の想定がもっとも広く残るのは川口駅(川口市)で、徒歩圏の98.2%が浸水深3m以上の想定区域に入ります。
2026-09-18 公開 ・ 出典は使用データ

JR東北線で徒歩圏に大規模な浸水の想定がもっとも広く残るのは川口駅(川口市)で、徒歩圏の98.2%が浸水深3m以上の想定区域に入ります。続くのが戸田公園駅、西川口駅。上位の顔ぶれは栗橋のすぐ近くと、路線のなかほどの川沿いに分かれて並びます。
記事の先頭にある地図では、青く塗られた範囲が洪水浸水想定区域です。駅を囲む円のなかにその青がどれだけ入り込んでいるかを測ったものが、この記事の値になります。
値は徒歩圏の面積に占める割合で、駅の中心から半径800mの円を切り取って集計しました。浸水深3m以上は、建物の低い階が水に沈み、高い階へ避難しても水が引くまで動けなくなる深さです。対象は徒歩圏人口が一定以上の40駅。全体の中央値は4.9%、平均は22.7%で、最小の0.0%から最大の98.2%まで、同じ路線のなかで大きく開きます。
JR東北線で大規模な浸水に弱い駅 ワースト10
| 順位 | 駅 | 所在地 | 洪水浸水想定率(3m以上) | 首都圏での順位 | 徒歩圏人口(2020) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 川口 | 川口市 | 98.2% | 下位 1% | 49,978人 |
| 2 | 戸田公園 | 戸田市 | 97.6% | 下位 1% | 31,675人 |
| 3 | 西川口 | 川口市 | 91.4% | 下位 2% | 40,627人 |
| 4 | 栗橋 | 久喜市 | 90.7% | 下位 2% | 9,815人 |
| 5 | 浮間舟渡 | 北区 | 89.0% | 下位 2% | 21,867人 |
| 6 | 戸田 | 戸田市 | 83.2% | 下位 3% | 25,701人 |
| 7 | 東鷲宮 | 久喜市 | 72.9% | 下位 4% | 13,220人 |
| 8 | 北赤羽 | 北区 | 57.1% | 下位 6% | 27,561人 |
| 9 | 尾久 | 北区 | 40.7% | 下位 8% | 36,371人 |
| 10 | 赤羽 | 北区 | 38.2% | 下位 8% | 38,785人 |
JR東北線で大規模な浸水に強い駅は6駅、差が出るのはここから【2026年版】
各駅の短評
1位 川口(川口市)
荒川の内側に広がる低地に駅があり、徒歩圏の98.2%が浸水深3m以上の想定に入ります。首都圏全駅のなかでの位置は下位 1%です。徒歩圏人口は49,978人と多く、想定区域に暮らす人の数もそれだけ大きくなります。
2位 戸田公園(戸田市)
路線順では栗橋から数えて20番目、荒川を目の前にした低地です。徒歩圏の97.6%が想定区域に含まれ、首都圏全駅での位置は下位 1%。堤防の内側に市街地が広がる地形で、駅の周りに逃げ上がれる高い土地がほとんどありません。
3位 西川口(川口市)
徒歩圏人口40,627人を抱える駅で、川口駅と同じ川口市、路線順でも隣り合う16番目に位置します。91.4%という水準で、荒川沿いの低地がそのまま徒歩圏に収まっています。
4位 栗橋(久喜市)
栗橋駅は路線順の先頭にあたり、利根川に近い低平地に置かれています。徒歩圏に占める想定区域の割合は90.7%。徒歩圏人口は9,815人で、上位のなかでは人口規模の小さい駅です。
5位 浮間舟渡(北区)
隣り合う戸田公園駅や戸田駅と同じ荒川沿いの帯にあり、値も89.0%と近いところにつきます。所在は東京都北区で、都県の境をまたいでも川沿いという条件は変わりません。
6位 戸田(戸田市)
数字の意味から見ると、83.2%は「徒歩圏のなかで浸水想定の外にある土地を探すのが難しい」状態を指します。路線順は21番目で、上位が固まる区間の端にあたる駅です。徒歩圏人口は25,701人。
7位 東鷲宮(久喜市)
徒歩圏人口13,220人という郊外の規模ですが、割合は72.9%に達します。路線順では2番目、栗橋寄りの内陸の低平地に含まれ、周囲に高い土地が少ない地形です。
8位 北赤羽(北区)
台地の縁から荒川沿いの低地へ移った位置にあります。割合は57.1%にとどまり、徒歩圏には想定区域の外の土地も残ります。北区のなかでは低地側の駅と言えます。
9位 尾久(北区)
路線順で30番目、東京寄りに入ってからの駅です。徒歩圏には台地の縁と低地の両方が含まれ、そのうち40.7%が浸水深3m以上の想定に入ります。首都圏全駅での位置は下位 8%。
10位 赤羽(北区)
台地と低地の境に置かれた駅で、徒歩圏のなかで土地の高さが大きく変わります。38.2%という値は、同じ駅を使っていても住む場所で条件が違ってくることを示しています。乗り入れはJR東北線・JR赤羽線、徒歩圏人口は38,785人です。
沿線での位置
図はJR東北線の駅を路線順に並べたもので、濃い色がこの記事で取り上げた駅です。
棒の高さは沿線で一様ではありません。濃い色は栗橋のすぐ近くと、路線のなかほどの連続した区間、そして東京寄りへ入ったあたりに分かれて現れます。間にはさまる区間では棒がほとんど立たず、隣の駅同士でも条件がまるで違うことが見て取れます。
この図は補助で、実際の広がりは記事の先頭の地図のほうがよく分かります。円のどちら側に青が寄っているかまでは、棒の高さでは表せません。
地形と背景の解説
差がつく理由は、駅がどの地形の上に建っているかでほぼ説明できます。路線順で1番目から30番目までの範囲に上位が収まっていますが、その内訳は連続した一本の区間ではありません。大きな河川に沿った低地、いわゆる海抜ゼロメートル地帯や旧河道・旧湿地を埋めた平坦地では、堤防の内側全体が想定区域に入るため、徒歩圏の円がまるごと塗られてしまいます。
一方、台地の上に駅がある区間では、同じ路線でも値がほとんど立ちません。栗橋寄りには川に挟まれた低平地が、東京寄りには台地の縁と低地の境が来るため、沿線の値はなめらかに変わるのではなく、地形の切り替わりに合わせて段差のように動きます。4.9%という中央値と98.2%という最大値の開きは、この段差の大きさをそのまま映したものです。
まとめ
値が高い駅は、大雨のときに徒歩圏の広い範囲で深い浸水が想定される、という意味です。住めない場所ということではなく、備え方が変わる場所だと受け取ってください。上位に挙がった駅を検討しているなら、自治体のハザードマップで建物単位の想定浸水深を確認し、その建物の高い階へ避難できるか、近くの避難先がどこかを先に調べておくのが現実的です。
現地では駅から歩いて高低差を確かめるのが有効です。同じ徒歩圏でも、堤防沿いと少し内側、台地へ続く坂の上と麓では条件が変わります。
よくある質問
Q1. JR東北線でいちばん大規模な浸水に弱い駅はどこですか
川口駅(川口市)です。徒歩圏の98.2%が浸水深3m以上の想定区域にあたり、首都圏全駅での位置は下位 1%になります。
Q2. 浸水深3m以上とはどれくらいの被害ですか
建物の低い階が水没し、高い階へ避難しても水が引くまで外に出られない深さです。想定最大規模の降雨を前提にした数字で、毎年起きる規模の雨ではありません。
Q3. この割合は駅のどのあたりを指していますか
駅の中心から半径800mの円の面積に対する割合で、円のなかのどこが浸水するかは示していません。同じ駅でも川に近い側と台地側で条件が違いますし、浸水想定区域の指定は河川の管理者ごとに進められているため、都県によって粒度に差が残ります。
出典・算出方法
- 指標: 洪水浸水想定率(3m以上) — 駅中心半径800m円のうち、洪水浸水想定区域(想定最大規模)で浸水深3m以上の面積の割合。A31b 浸水深ランク3以上
- 対象: JR東北線の駅のうち、駅条件「pop_2020>=5000」を満たす40駅
- 順位%は首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)全駅の中での位置(100に近いほど良い)。算出式の版: 6a.1
- 使用データ:
- 国土数値情報 洪水浸水想定区域(1次メッシュ単位)(A31b)2025年度版(2025、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A31b-2025.html
- 国土数値情報 500mメッシュ別将来推計人口(R6国政局推計)2024年度版(2024、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-mesh500r6.html
- 集計日: 2026-09-19
免責
本記事は公開データを機械的に集計したもので、個々の物件・建物の安全性や資産価値を保証するものではありません。指標は駅中心から半径800mの円で集計しており、同じ駅でも場所によって状況は異なります。ハザードマップ・統計の原典は各公的機関の最新版を必ずご確認ください。