総武線 水害
JR総武線で大雨に弱い駅ワースト10【2026年版】
JR総武線で最も大雨に弱い駅は小岩(江戸川区)で、値は99.8%でした。
2026-09-18 公開 ・ 出典は使用データ

JR総武線で最も大雨に弱い駅は小岩(江戸川区)で、値は99.8%でした。続くのが亀戸、錦糸町、平井と、都心に近い区間の駅が並びます。総武線沿いへの引っ越しを考えていて水害が気になる人に向けて、私たちは国土数値情報の洪水浸水想定区域を駅ごとに集計し、値の大きい順にワースト10を並べました。
記事の先頭にある地図では、青く塗られた範囲が浸水想定区域です。駅を示す丸の色は値の大小を表しているので、候補の駅がどちら側に寄っているか、地図と表を往復しながら確かめてください。
値は徒歩圏の面積に占める割合です。駅中心半径800m円のうち、洪水浸水想定区域(想定最大規模)で浸水深0.5m以上の面積の割合。A31b 浸水深ランク2以上という定義なので、大きいほど駅から半径800mの円の中に浸水想定区域が広く入っていることになります。対象は徒歩圏人口が一定以上の31駅で、全体の中央値は42.7%、平均は44.2%、最小は0.0%、最大は99.8%でした。沿線の中で値の開きがかなり大きい指標だと分かります。
JR総武線で大雨に弱い駅 ワースト10
| 順位 | 駅 | 所在地 | 洪水浸水想定率(0.5m以上) | 首都圏での順位 | 徒歩圏人口(2020) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 小岩 | 江戸川区 | 99.8% | 下位 3% | 40,081人 |
| 2 | 亀戸 | 江東区 | 99.5% | 下位 4% | 47,406人 |
| 3 | 錦糸町 | 墨田区 | 98.9% | 下位 5% | 46,834人 |
| 4 | 平井 | 江戸川区 | 95.7% | 下位 8% | 35,858人 |
| 5 | 本八幡 | 市川市 | 94.8% | 下位 9% | 35,213人 |
| 6 | 浅草橋 | 台東区 | 94.1% | 下位 9% | 42,588人 |
| 7(同率) | 新小岩 | 葛飾区 | 89.8% | 下位 11% | 35,664人 |
| 8(同率) | 両国 | 墨田区 | 89.8% | 下位 11% | 40,143人 |
| 9 | 馬喰町 | 中央区 | 87.3% | 下位 11% | 42,205人 |
| 10 | 市川 | 市川市 | 83.0% | 下位 12% | 37,886人 |
JR総武線で大雨に強い駅は7駅、差が出るのはここから【2026年版】
各駅の短評
1位 小岩(江戸川区)
川に挟まれた低地に駅があり、まとまった高台が徒歩圏に入りません。99.8%という値はJR総武線で最も大きく、首都圏の全駅と比べた位置は下位 3%にあたります。徒歩圏人口は40,081人で、住宅の密集した地域です。
2位 亀戸(江東区)
路線順では東京から数えて9番目、東京寄りの区間にあたります。乗り入れはJR総武線・東武亀戸線で、乗り換えの利便を理由に候補に挙がりやすい駅ですが、値は99.5%でした。周囲は河川に囲まれた低地が続き、標高の高い逃げ場が近くにありません。
3位 錦糸町(墨田区)
徒歩圏人口は46,834人で、繁華街と住宅地が同居する区域です。値は98.9%、首都圏内での位置は下位 5%となりました。商業施設が多い駅でも、地盤の高さは別の話になります。
4位 平井(江戸川区)
小岩と同じ江戸川区にあり、こちらも川と川の間の低地です。路線順は10番目で、上位の顔ぶれがひとかたまりに並んでいることが分かります。値は95.7%でした。
5位 本八幡(市川市)
千葉県側からワーストに入った駅で、値は94.8%です。台地の縁が近い一方、駅の周りは低地が広がる地形になっています。複数路線が使える便利さと、浸水想定の広さが同居する場所だと考えてください。
6位 浅草橋(台東区)
94.1%という数字は、駅から半径800mの円のうち浸水深0.5m以上が想定される面積の割合を指します。都心の中でも川と堀に近い低地で、路線順では東京から5番目と、かなり東京寄りに位置します。徒歩圏人口は42,588人でした。
7位 新小岩(葛飾区)
値は89.8%で、次の両国と同率です。この組は表示上同じ値なので、順位の差に意味はありません。駅の周囲は川沿いの低地で、まとまった高台が徒歩圏に見当たらない点は上位の駅と共通しています。
8位 両国(墨田区)
川の東岸にあたる低地で、路線順では4番目と都心側に寄っています。徒歩圏人口は40,143人、首都圏内での位置は下位 11%でした。古くからの下町の地形がそのまま数字に出ています。
9位 馬喰町(中央区)
オフィスと問屋街が並ぶ区域ですが、地形としては旧河道の名残が残る低地です。値は87.3%、路線順は3番目になります。住む場所として検討するなら、建物の階数と避難経路を先に見ておきたい駅でしょう。
10位 市川(市川市)
台地の縁が徒歩圏に入るぶん、ワースト上位の駅に比べると値は下がって83.0%です。とはいえ沿線全体の中央値を大きく上回っており、安心できる水準ではありません。徒歩圏人口は37,886人で、同じ市内の本八幡と合わせて候補に挙がりやすい駅です。
沿線での位置
沿線のどこに弱い駅が集まるかは、路線順に並べた図で確かめられます。
図は対象駅を路線順に並べた棒グラフで、この記事で取り上げた駅が濃い色になっています。濃い棒は東京寄りの区間にまとまり、銚子に向かうほど棒が低くなっていく形です。
境目はなだらかではなく、ある区間を過ぎると急に棒が短くなります。候補の駅がその境目のどちら側にあるかで、備え方の重さが変わってきます。
地形と背景の解説
ワースト10に入った駅の路線順は3番目から14番目までに収まっており、東京寄りの連続した区間に集中しています。この区間は複数の大きな川が海に近づく場所で、川が運んだ土砂が積もった低地が広がります。地盤が低く、川の水位より低い土地も含まれるため、想定最大規模の雨では徒歩圏の広い範囲が浸水想定区域に入ります。
一方、銚子寄りに進むと台地の上に乗る駅が増えます。総武線 高台という言葉で探す人が向かう先は、地形としてはこちら側です。台地と低地の境目には崖線があり、同じ沿線でも崖線をまたぐだけで値が大きく変わります。
低地の中でも差が生まれる理由は、旧河道の位置と、堤防に近いかどうかにあります。ワースト上位の駅は徒歩圏のほぼ全域が低地に収まる一方、市川のように台地の縁を徒歩圏に取り込む駅は値がいくらか下がります。数字の背後にあるのは、ほぼこの地形の違いです。
まとめ
候補の駅がワースト側に入っていたとしても、その駅を外す必要はありません。確かめるべきは駅ではなく、住もうとしている場所そのものです。自治体のハザードマップで町丁目単位の想定浸水深を見て、建物の階数と浸水深を突き合わせてください。
現地では高低差も確認しましょう。駅から候補の物件まで歩いて、坂の向きを体で確かめると、地図だけでは分からない差が見えます。停電や断水を含めた在宅避難の可否、近くの避難所までの経路も、内見のついでに押さえておくと判断が早くなります。
よくある質問
Q1. ワースト1位が小岩になったのはなぜですか
徒歩圏の全体が川に挟まれた低地に収まっており、逃げ場になる台地が半径800mの円に入らないためです。想定最大規模の洪水では円のほぼ全域が浸水深0.5m以上の想定区域に含まれ、値が99.8%まで上がりました。駅そのものの安全性というより、一帯の地形の問題だと捉えてください。
Q2. JR総武線のどのあたりが大雨に弱い傾向ですか
東京寄りの区間、路線順で3番目から14番目のあたりに弱い駅が集まります。銚子寄りに進むと台地の上に乗る駅が増え、値は下がっていきます。ただし同じ区間内でも駅ごとに差はあるので、表の数字で個別に見てください。
Q3. この浸水想定は駅のどこを指していますか
駅の中心から半径800mの円について、面積に占める浸水想定区域の割合を出したものです。円の中の特定の地点を指しているわけではないので、同じ駅でも場所によって想定浸水深はまったく違います。物件が決まっているなら、住所単位でハザードマップを確認するのが確実でしょう。
出典・算出方法
- 指標: 洪水浸水想定率(0.5m以上) — 駅中心半径800m円のうち、洪水浸水想定区域(想定最大規模)で浸水深0.5m以上の面積の割合。A31b 浸水深ランク2以上
- 対象: JR総武線の駅のうち、駅条件「pop_2020>=5000」を満たす31駅
- 順位%は首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)全駅の中での位置(100に近いほど良い)。算出式の版: 6a.1
- 使用データ:
- 国土数値情報 洪水浸水想定区域(1次メッシュ単位)(A31b)2025年度版(2025、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A31b-2025.html
- 国土数値情報 500mメッシュ別将来推計人口(R6国政局推計)2024年度版(2024、CC BY 4.0(国土数値情報ダウンロードサイトコンテンツ利用規約)): https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-mesh500r6.html
- 集計日: 2026-09-19
免責
本記事は公開データを機械的に集計したもので、個々の物件・建物の安全性や資産価値を保証するものではありません。指標は駅中心から半径800mの円で集計しており、同じ駅でも場所によって状況は異なります。ハザードマップ・統計の原典は各公的機関の最新版を必ずご確認ください。